IDAJ

Case Study実績・お客様事例

日立製作所 様(CDAJ news vol.21)

全社で「日立STAR-CDユーザー会」を開催し、利用のノウハウを共有化

株式会社 日立製作所 自動車機器グループ 情報システム部 様
CDAJ news vol.21お客様紹介コーナーより抜粋
発行日 2000年7月

解析種別:流体解析
課題等:空気流動、ターボチャージャー

具体的な解析テーマをご紹介いただけますでしょうか?
数多い製品を扱っており、そのほとんどに対して熱流動解析が必要になります。具体的にお話すると、エンジンのコントロールユニット、エアーフローセンサ、スロットルボディ、樹脂コレクター、ターボチャージャ、インジェクタ、オルタネータなど製品を挙げだすと、きりがないくらいです。
エアーフローセンサは、エンジンのシリンダの中にどのくらいの空気流量が入っていったかというのを検出するセンサーです。日立の場合、ホットワイヤ方式というセンシングを採用しており、2つあるセンサの温度差が一定になるように電流をコントロールして空気流量を測定しています。センサーの部分にはバイパスが通してあり、そこに空気が流れ込んでいきます。このバイパス内のセンサを置いた1箇所で流路全体の流れを把握できるかとか、バックファイヤーが来たときに、その影響を最小限にできるかとか、形状を最適化することが難しく、流体解析を欠かすことのできない製品です。
CDAJ news vol.21
自動車機器グループ様は、STAR-CDを日本で販売始めた当初からのお客様ですが、最初にご選択をいただいた理由をお聞かせください。
日立の中でも、2番目か3番目のユーザーだと思うのですが、最初エアーフローセンサーの計算を社内開発のソフトウェアで行っていました。その当時は6000メッシュくらいが限界でして、どうしてももう少し複雑な形状を定義しないといけないテーマがあがっていました。最初にSTAR-CDを導入し活用していた他工場の設計者から、非常によいソフトという話を聞き、実務作業を見に行くと、数万メッシュをその場で作成し、すぐに計算が終了していました。
当時としてはとても驚いた記憶があります。そのときの、非構造格子、GUI、ロバスト性、計算速度などは画期的でした。当工場でも最初1本導入すると、非常に有効であることが判り、すぐに本数を追加しました。その後、他の工場でも導入され始めたので、日立製作所の中の「CAEユーザー会」という全社組織の中に「STAR-CDユーザー会」がつくられ、社内各工場の方が集まって、使い勝手の向上、ノウハウの共有化を含めた全社活動を展開しています。日立製作所の中で、個別のユーザー会があるのは、他にはI-DEAS、Pro/Eくらいで、日立の標準ソフトウェアという位置づけになっているものばかりです。
CAEユーザー会についてお聞かせください。
メンバーは、日立の30以上の工場と、その協力会社、関連会社の集まりです。その中に、熱流体解析ワーキンググループというのがありまして、最初、STAR-CDのベンチマークをやろうということになりました。テーマは、「曲がり管の流れ」でした。単純そうなのですが、2次流れなどもあり精度を追求すると結構面白い問題でした。また、論文で実験データがあったものですから、それを各工場で分担しまして、差分スキーム、乱流モデル、メッシュなどの検証を行いました。結構実験値と合っていたように思います。社内の「STAR-CDユーザー会」は、大体15、16部署から集まって開催されており、年に1~2回くらい開催しています。目的は、ノウハウを含めた情報の共有化ですが、もっと草の根運動的なことも行っていて、工場間で実際STAR-CDを使っている人に、「こんな機能の使い方教えて!」などの情報交換は頻繁に行っています。
STAR-CDの気に入っている点をお聞かせください。
導入当初からの、不連続メッシュや、ロバスト性、解析機能などは今でも気に入っています。あと、サポートですね。迅速、丁寧、親切な対応と三拍子揃っているのがうれしいです。また、色々とコンサルティングなどをお願いしていますが、レポートがしっかりとした内容で挙がってくることも気に入っています。

このインタビューの詳細は季刊情報誌CDAJ news vol.21でご覧いただけます。
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熱流体解析
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