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汎用熱流体解析プログラム『STAR-CCM+ V4.06』リリースのお知らせ

株式会社シーディー・アダプコ・ジャパンは、このたび、CD-adapcoで開発された、次世代汎用熱流体解析プログラム『STAR-CCM+(スター シーシーエム プラス)』と、CAD統合型熱流体解析ツール『STAR-CAD(スター キャド)シリーズ』、3次元CAD搭載 熱流体解析ツール『STAR-Design(スター デザイン)』の最新バージョン V4.06を、2009年11月日本国内においてリリースしました。

『STAR-CCM+』はCD-adapco独自のテクノロジーであるサーフェスラッパーやポリへドラルメッシュに加え、クライアントサーバー方式を採用した、最新のオブジェクト指向の使いやすいGUIで、熱流体解析を必要とするエンジニアの強力なサポートツールとして、既に多くのお客様にご利用いただいています。
本バージョンは、引き続き、使い勝手の向上やメッシュ作成機能、新しい物理モデルに関して、170もの新規開発項目と、70を超えるお客様からのご要望を反映して開発されました。

使い勝手の向上

Javaマクロによる操作記録機能の拡張(インタラクティブ操作の記録)や、フィールド関数からテーブルデータを参照する機能が追加されました。

サーフェスメッシュの操作性の向上と、ボリュームメッシャー機能の拡張

主にサーフェスメッシュの準備工程やボリュームメッシャーの機能が追加・拡張されました。

複数領域に対する自動インプリントおよびインターフェース作成

流体/固体の熱連成問題を代表とする複数領域のモデルにおいて、領域同士の距離により接触の有無を判断し、自動的にインプリントとインターフェースを作成する機能が追加されました。接触の有無を、ブラウズ機能で1ペアずつ確認することができるため、必要な箇所に確実にインターフェースを作成することができ、大幅な工数削減が期待できます。

プリズムレイヤーメッシュのコントロール性拡張

レイヤーメッシュの層数をコーナーに向かって段階的に減らすことができる、レイヤー削減率(Layer Reduction)機能が追加されました。この機能は、セルのクオリティ向上だけでなく、解析メッシュ数の削減といった効果も期待できます。

一般円筒メッシャー(Generalized Cylinder Mesher)の追加

新しいメッシャーとして、一般円筒メッシャー(Generalized Cylinder Mesher)が加わりました。このメッシャーは、いわゆる"引き延ばし法"により、メッシュを作成できる領域を自動認識し、その部分に流れ方向に引き伸ばしたポリヘドラルメッシュを作成することで、トータルメッシュ数の削減と解析精度の好バランスを実現します。

サーフェスメッシュの操作性の向上と、ボリュームメッシャー機能の拡張

パフォーマンスの向上

ソルバーとプリポストのメモリー使用量、計算安定性、処理速度について、以下の点が改善されました。

  • 並列計算における形態係数算出の高速化と使用メモリー低減
  • カップルドソルバーでのAMGソルバー最適化により、最大40%の高速化
  • カップルドソルバーに緩和係数を導入することにより、定常計算の収束性を向上
  • 大規模Coreの並列計算におけるAMGソルバーの安定化
  • Windows環境での計算速度を最大20%高速化
  • 結果処理における複数断面プロットの表示が約3倍に高速化
  • STAR-Viewファイルの書き出しのための使用メモリー量の低減

物理モデル・CAEインテグレーション

STAR-CDの機能の移植とともに、STAR-CCM+独自の新しいモデルが組み込まれました。

広帯域騒音源予測モデル

主に、定常解析の結果から、流体騒音の音源として寄与する領域を予測するための、広帯域騒音源予測モデルが組み込まれました。組み込まれたのは、空間での4重極音源を予測するLilleyモデル、LEEモデル、ProudmanモデルおよびGoldsteinモデルと、壁面での2重極音源を予測するCurleモデルの5タイプです。

実在気体の状態方程式の追加

水蒸気と水の物性を与えるためのIAPWS-IF97モデルが追加されました。International Association for the Properties of Water and Steamで規定された物性値データを元に、計算によって得られた圧力場および温度場の情報から、自動的に水蒸気および水の各物性値を計算します。蒸気タービンでの流れ計算など、蒸気を作動流体とした解析対象に利用できます。

液体の圧縮性考慮の追加

気体と液体に対して、圧縮性の影響も考慮することができる"ユーザー定義による密度設定"の機能が加わりました。これにより従来のバージョンではできなかった、液体での圧縮性考慮ができるようになりました。

LES向けのブレンディング中心差分スキームの追加

LES向けの差分スキームとして、従来のCentral Difference(中心差分)に加えて、Bounded Central Differenceが組み込まれました。この低次の差分と中心差分のブレンディングスキームは、比較的メッシュクオリティの低い工学的な問題に対して、精度低下を最小限に抑えつつ、安定性を向上させます。

ラグランジェ混相流機能の拡張

初期粒子定義をするための噴射装置(Injector)モデルが拡張され、噴射量の定義にフィールド関数やテーブルが利用できるようなりました。さらに、Coneタイプの新しい噴射装置モデルが加わり、内部角と外部角が定義できるようなったため、ホローコーンのインジェクターも容易にモデル化できるようになりました。

オイラー混相流機能の拡張

以前のバージョンでは、層流の解析しかできなったオイラー混相流解析で、k-ε乱流モデルを使った乱流解析ができるようになりました。

微粉炭燃焼モデルの追加

これまでSTAR-CDのみで可能であった、微粉炭燃焼の機能がSTAR-CCM+に組み込まれました。

ハーモニックバランスの拡張

ハーモニックバランスモデルに、ブレードのフラッター現象を考慮するための"ブレードフラッター"機能が加わりました。既知の振動としてフラッター運動を考慮した解析をすることで、フラッターによる空力特性の変化を予測することが可能になります。

物理モデル・CAEインテグレーション

結果処理機能

ラインパーツに対する表面積分と面積平均がとれる機能や、プレゼンテーショングリッド表示が改良されるなど、主に使い勝手を向上させる機能が改善されています。
さらに、従来と同様に『STAR-CCM+』と同時にバージョンアップされるCAD統合型熱流体解析ツール『STAR-CADシリーズ』は、最新の『STAR-CCM+』V4.06ソルバーに対応します。
『STAR-CADシリーズ』は、3次元CAD上で設計者が熱流体解析からのフィードバックを製品設計プロセスで、素早く得ることを目的として開発されました。設計者の様々なアイディアをすぐに検討でき、解析専任者に検証を依頼し、いたずらに時間がかかるストレスからも解放されます。

結果処理機能

『STAR-CADシリーズ』には、CATIA V5対応「STAR-CAT5」、Pro/ENGINEER対応「STAR-Pro/E」、SolidWorks対応「STAR-Works」、UG NX対応「STAR-NX」があり、設計者が普段使い慣れたCAD上で操作ができ、追加されたCFD関連の機能のみを習得すれば、手軽に熱流体解析が実施することができます。
また、何より、設計変更による再解析を簡単に実行できることが特長です。信頼性の高い『STAR-CCM+』ソルバーの最新版を常に搭載し、形状作成後は、即解析メッシュを生成し、計算を実行できます。さらに、設定漏れやミスを事前に診断しツリー表示する解析チェッカーや、高速/高精度/高安定性の計算を実現するポリヘドラルメッシュを採用、3次元の解析結果を誰でも確認できるフリーソフト「STAR-View」など、解析操作を強く意識させることなく、普段の設計作業の流れの中に、自然に熱流体解析を取り入れることができる工夫が施されています。

CD-adapco について

President:Steve MacDonald
London Office: 200 Shepherds Bush Road, London, W6 7NY, United Kingdom
Telephone: (+44) 20-7471-6200

CD-adapcoは、流体・熱移動・応力など広範囲なエンジニアリング・シミュレーション(CAE)ソリューションの世界有数のプロバイダーで、主な拠点はロンドンとニューヨーク、その他世界中に拠点があります。STAR-CD/STAR-CCM+ は世界で最も多く利用されているCFDソリューション、またSTAR-CADシリーズはCAEコンサルティングの分野における25年の経験に裏付けられた使い勝手の良いCAD内蔵の製品としてCD-adapcoの多彩なソリューションへの入り口となる製品です。その他詳細情報についてはウェブサイトをご参照ください。
http://www.cd-adapco.com

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