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Case Study実績・お客様事例

慶應義塾大学 様(CDAJ news vol.19)

モノ造りの研究学習の為に積極的にCAE/CFDを活用

慶応義塾大学 理工学部 機械工学科様/システムデザイン工学科 様
CDAJ news vol.19お客様紹介コーナーより抜粋
発行日 2000年1月

解析種別:流体解析
課題等:流体軸受、油圧ポケット、乱流流れ

機械工学科、システムデザイン工学科の位置付け、役割についてご説明お願いします。もともと1つの学科から機械工学科とシステムデザイン工学科に分離されたとお伺いしておりますが、その目的は何だったのでしょうか?
システムデザイン工学科は、モノ造りを考える学科です。生産システム、環境システム、人間の細胞のシステム、地球全体のシステムなどモノを作っていく上で、あるところを専門的にやるのではなく、全体を捉えていけるような学生を教育しようという考えでできた学科です。いわゆる科学技術の影響の及ぶ社会や人間などの環境を勘案した立場にたって、工学システムとそれを取り巻く環境との調和性を実現するための新しい工学分野の為の学科です。もともとシンセシスとアナリシスが機械科の中に共存していて、シンセシスとアナリシスを一緒に教えると、どうしても学生の方が混乱するので、それを分けようというのが最初の目的でした。そのシンセシス側がシステムデザイン工学科として独立した訳です。現在は、機械系だけでなく、環境系・電気系・電子系などからも参加してもらい、大きくなってきています。
CDAJ news vol19
CAEを授業に生かす上で、どの辺が苦労されますか?
機械工学科では、「モノ造り」というものをきちんと教えなくてはならないと考えています。それは、モノの原理を教えることです。「モノ造り」、研究的な分野も両方平行してすすめていかないといけない。しかし、実際には、CAD、STAR-CDとかの操作の習得に時間がかかって、1番教えたい、CAD、CAEを利用した「モノ造り」のところが抜けてしまう。大きなテーマをもってくるが、材料の角のRにより応力がどの位変わるかとか、学問的には分かっても経験がないので、どっちつかずになってしまう。そこをいかに単純なモデルに引きずり込んで、1つでも「いい機械をつくる」ということに対する知識を得て欲しいです。
具体的に、カリキュラムの中で、解析を行われた例をご紹介いただけますでしょうか?
シンプルなものに絞っています。昔からの歴史がありますから構造解析の事例がどうしても多くなっています。テニスラケットにボールがどの位置にあたったときにどういう振動モードがおこるか?やボルトの十字ねじに対してドライバは、3種類ある。中間の大きさを中心に考え大小を比較するなど。メッシュをずっと連続で変えていって、どの程度の大きさのメッシュにすれば、理論値とあうかという計算とか。何でもいいから面白くて利口になればいいかなと思っています。流体解析も曲がり管の角度により圧力損失がどうなるかなどのシンプルな問題ですが、解析を行った学生には、CAEソフトの使い方も含めレポートに書かせています。「サルでも使える~」とかね(笑)ご存知のように慶應義塾大学では、ネットワーク、CAEを授業、研究に積極的に取り組んでいます。私は、5年前にこちらにきたのですが、当時はアポロのドメインシステムがあった。CAEによる設計評価は、不可欠であるので新しいサーバーマシンを導入し、計算機室で予算をとって、「STAR-CD」や他のCAEソフトウェアを揃えて、メンテナンスして皆に利用いただいています。
CDAJ news vol19
実際の研究室でのご利用状況についてお話をお伺いさせていただきたいと思います。
工作機械の高速化、高精度化、知能化・自律化を目的として、これを実現するために必要となる構成要素の高度化に関する研究を行っています。具体的にはスピンドルのシャンクを構造解析したり、クランプ(締め台)の配置を研究したりして、ISOの規格作りに必要な研究データを収集しています。流体解析では、スピンドル内のオイルミストを研究で扱いはじめたばかり。STAR-CDに関しては、今、学生が流体軸受の油圧ポケット内乱流流れを解析しています。

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熱流体解析
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