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Case Study実績・お客様事例

本田技術研究所 様(CDAJ news vol.53)

自動車が低燃費/低公害で走るための制御設計に「GT-POWER」をご活用

株式会社 本田技術研究所 四輪開発センター 様
CDAJ news vol.53お客様紹介コーナーより抜粋
発行日 2008年9月

解析種別:MATLAB/Simulink連成
課題等:排気ガス再循環バルブ、実写性能評価テスト、バーチャルエンジン、MATLAB/Simulink、高速計算

省略
「ご部署での、CAEの位置づけや役割はどういったものなのでしょうか?
量産系とは違い、研究系の部署ですので、まだエンジン自体ができていない研究テーマがたくさんあります。そのような場合は、一昔前まではエンジニアが頭でのイメージや簡易的な自作シミュレータなどで扱っている現象を把握していましたが、現在は、エンジンシステムがより複雑化し、イメージだけで把握することは非常に困難になってきました。そこで、CAE、つまりバーチャルエンジンは、扱っている現象を精度良く実現し、より厳密に現象の把握ができ、実際のエンジンではセンシングできないような箇所の状態を推測することもできるため、これを用いるようになりました。
またさらに、事前にエンジンの性能をある程度予測できるようになりました。したがって、私どもの部署でのCAEの位置づけは扱っている現象を把握するためだけでなく、事前にエンジンの性能を予測する"開発フロントローディング化ツール"となっています。CAEの利用価値について、エンジニアの意識も、最近になってかなり変わってきたように思います。
CAEは目的によって、求められるモノ(精度など)が異なりますが、私どもの業務である制御設計においては、対象挙動の絶対値よりもその傾向が重要となります。傾向が分かれば、その扱っている現象の把握はもちろん、エンジンができる前に制御設計者側で対策を打つことができます。CAEを上手く用いることにより制御対象の挙動傾向は十分シミュレートできますので、そういった意味で私どもの業務にはCAEの存在は必要不可欠なものなのです。
では、実際のご業務についてお聞かせください。
端的に申しますと、エンジン全般の制御設計および実車性能評価テストを行っています。エンジンの制御仕様、つまりエンジンコントロ-ルユニット(ECU)に搭載する制御仕様を作成することです。目的は主に低燃費化、排気ガスのクリーン化になります。具体的に一例を申しますと、エンジンの吸気系にあるスロットル、ターボ、排気ガス再循環バルブ(EGR)などの様々なアクチュエータを操作し、シリンダー内に"ある目標吸気量"を入れるように制御していきます。「MATLAB/Simulink」と「GT-POWER」とを連成させて利用しています(図1)。まずは「MATLAB/Simulink」で制御仕様を作成し、それを実際のエンジン/車へ適用する前にバーチャルエンジンである「GT-POWER」へ適用し、各アクチュエータの制御を検討しています(図2)。エンジンができ上がったところで、「MATLAB/Simulink」の制御仕様をラピットプロトに搭載して、実車エンジンを制御しています(図3)。
MATLAB/Simulink×GT-POWER連成した机上シミュレーション環境(図1)
MATLAB/Simulink×GT-POWER連成した机上シミュレーション環境(図1)
制御設計対象としてのエンジンモデル(GT-POWERモデル)(図2)
制御設計対象としてのエンジンモデル(GT-POWERモデル)(図2)
実機テスト環境 MATLAB/Simulink×ラピットプロトタイプECU (図3)
実機テスト環境 MATLAB/Simulink×ラピットプロトタイプECU (図3)
省略
弊社プロダクト/サービスをご選択いただいている理由についてお聞かせください。
最近の自動車の開発期間は非常に短く設定されておりまして、もはやCAEなくして、自動車の開発は成り立ちません。たくさんのCAEソフトの中で、なぜ「GT-POWER」を使っているかと申しますと、
  1. GT-POWER」は高速計算実行が可能なので、実車と同じようなリアルタイム制御も可能である。またHILSとしての利用も可能である。
  2. 制御設計者は、対象の制御上必要な特性を確実に捉える必要があり、制御対象をブラックボックス化せず、自分達でその制御対象を作り込む必要があります。その際、「GT-POWER」は他のソフトと比べて詳細な設定が可能で、かつGUIが分かりやすく、制御設計者でも比較的容易にバーチャルエンジンを作成することができるから。
  3. 「GT-POWER」は制御設計者が頻繁に使用する「MATLAB/Simulink」との連成も非常に簡単だから。
  4. 「GT-POWER」は定常計算だけでなく、過渡計算も安定しており、エラー時のメッセージも明確で分かりやすいから。
  5. そして最後に、なんと言っても御社GTチームのサポートメンバーのスキルレベルが非常に高く、サポート体制が非常によいから。
上記5点が御社のソフトを利用している理由です。
省略

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ご活用いただいている製品

分野1:
熱流体解析
分野2:
1Dシミュレーション(システム・シミュレーション)
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