レノボ・ジャパン 様(CDAJ news vol.57)
開発の初期の段階から徹底的に「FloTHERM」によるシミュレーションをご活用
レノボ・ジャパン 株式会社 先端技術研究所 様
CDAJ news vol.57お客様紹介コーナーより抜粋
発行日 2009年9月
解析種別:熱解析
課題等:通風遮熱壁、通風断熱構造、筐体底面、熱設計
省略
- 「通風断熱構造」についてご紹介いただけますか?
- これまでの熱設計では、筐体底面(特にヒートシンクの裏側など)の温度がしばしば高くなり、その温度を下げるためにファンを大きくしたり、ファンの回転数を上げて風量をアップしたりする必要がありました。これは製品サイズのネックになる冷却システムが大きくなることを、もしくは騒音レベルが悪化するということを意味します。今後、携帯型電子機器の素子の発熱量はますます増加することが予想されますが、同時に製品サイズは小型化の傾向にあります。つまり、製品の発熱密度は高くなるのです。しかしながらその一方で、お客様からは騒音や温度にかかわる快適性向上の要求は強まりつつあります。したがって、筐体表面温度を低く抑える技術は、今後ますます重要になってくると思われます。
図1 ノートPCの筐体底面温度の分布図 図2 ノートPCの内部構造 図3 通風断熱構造 概略図 図4 通風断熱構造の効果(シミュレーション) 図5 通風断熱構造の効果(赤外線カメラによる実測) - ひとつの製品を作るためには、それぞれのチームが与えられた課題を確実にクリアしていくこと、それが大切なのですね。
- では、次に具体的なシミュレーションの検討内容についてご紹介します。まずは簡単なモデルで、シミュレーションを実施しました。コンポーネントとベースの間のギャップの広さを1~8mmまでに設定、風速を0~900mm/Sの条件で、数パターンのシミュレーションを実施し検証しました。最初のケースの結果から、400mm/Sの風速をあてれば十分に冷却できることがわかりました。次に、コンポーネントを2つ追加して、同じような条件で検証してみましたが、やはり400mm/Sが最適値。3ケース目は、コンポーネントが1つ、カード(基板)の発熱を追加してシミュレーションを実施。この場合も、400mm/sが最適値であることが判明しました。これらの一連の検討には、FloTHERMのCommand Centerが大いに役立ちましました。FloTHERMの特徴は、ギャップと風速をそれぞれ変更して解析することを、全部ソフトウェアでできることが最大の利点です。実機で計測しようとすると、多くの準備や装置が必要になり、経費もかかりますし工数もかかってしまいますから。ところが、シミュレーションであれば、1ケースの計算にかかる時間は、この場合わずか20~30分。すべてのケースを計算するには、2~3日あれば十分でした。
省略
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ご活用いただいている製品
- 分野1:
- 熱流体解析
- 分野2:
- 最適設計