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Case Study実績・お客様事例

日立アプライアンス 様(CDAJ news vol.58)

製品設計・営業支援の両面でCFD/CAE をご活用

日立アプライアンス 株式会社 清水空調本部・空調営業本部 様
CDAJ news vol.58お客様紹介コーナーより抜粋
発行日 2009年12月

解析種別:流体解析
課題等:ロバスト設計、室外機、空気流れ、吹き出しグリル、空調機、風速分布、低騒音

省略
今回は、ロバスト設計(品質工学)を用いて室外機の空気流れを検討した事例についてご説明します。室外機の性能を十分に保証するためには、室外機の吹出し流れを、いかに制御するかが技術的なポイントとなります。ただし製品として世に送り出すためには、機能性と同時にデザイン性も確保しなければならない。そこで私たちは室外機の吹出しグリルのデザインに着目し、"見た目"も"性能"も良い、ロバストガイドデザインの解析実験に着手しました。
図1 空気流れの制御検討
図1 空気流れの制御検討
図2 理想機能の定義
図2 理想機能の定義
まずガイドグリルの場合、低騒音・低抵抗を実現させるためには、
  1. 流入風速と流出風速が近い値になること
  2. 流入風速にかかわらず、流出角度が一様になること
この二つがポイントであることがわかっています。そこで、流入条件を速度ベクトルで定義し、ガイドグリルの形状を制御因子(パラメータ)、流入角度と風速分布を誤差因子(ノイズ)とするL18直交表に基づくCFD解析を実施しました。本解析では二次元の断面モデルとk-ε系乱流モデルによる定常解析を実施しました。もちろん三次元形状の解析も有効ですが、ここでは時間的制約を優先し二次元で実施しました。二次元解析ですと1モデルあたりの計算が、数分程度と軽く、工程全体を短時間にまとめることが可能です。このようなシンプルなモデルでも、製品の性能を左右する基本的なデータを収集するには十分であると判断しました。得られた解析結果からは、制御因子の中でもとりわけ翼の出口角が、流出角度のSN比に対しての寄与が小さく、かつ感度への寄与が大きいことがわかりました。すなわち、出口角を変化させることは、流出角度のSN比を下げずに流出角度を制御する有効な手段であるといえます。
次に再現性の確認実験をおこないました。シミュレーションの結果は、我々の推定値と良く一致しました。次の実機実験では、シミュレーションで取り込めなかったノイズの影響が増えたものの、利得(注:品質工学用語で改善効果の割合の意)は安定的に再現できており、実機でも再現性を見込めることが確認されました。
最終的には製品形状として、チューニングされるわけですが、チューニング後の実験においても高い再現性を得ることができました。結果といたしまして、このロバストデザインによる新しいグリル型ガイド検証により、実際の製品形状を反映した試作試験では、室外機の電力消費を約25%低減することに成功したわけです。
図3 シミュレーション方法、各種因子
図3 シミュレーション方法、各種因子
図4 改善結果
図4 改善結果
省略

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分野1:
熱流体解析
分野2:
最適設計
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