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Case Study実績・お客様事例

ミツバ 様(CDAJ news vol.59)

磁場解析の効率化に「modeFRONTIER」をご活用

株式会社 ミツバ 技術開発部 様
CDAJ news vol.59お客様紹介コーナーより抜粋
発行日 2010年3月

解析種別:最適化
課題等:モーター設計、低コスト、小型化、軽量化、低騒音、低振動、磁場解析

省略
ミツバ様における最適化ツールに、modeFRONTIERを導入いただいたポイントは何でしょうか。
導入時には、modeFRONTIERと他社ツールとを比較・検討しました。値段は、あまり変わらなかったのですが、磁場解析には、弊社ではJMAG(JSOL社)を使っていますので、JMAGとの連成のサポートが充実していたこと、各種CAEツールとのダイレクト・インターフェースがオプションではなく、標準で搭載されていたことが決め手でした。また、CDAJさんとは、STAR-CDで長くお付き合いがあったことも理由のひとつです。
現在のモータ設計では、
  • 低コスト
  • 小型化
  • 軽量化
  • 低騒音
  • 低振動
が主な要求仕様です。自動車でもハイブリッド車や、電気自動車といったエンジンの作動を必要としない自動車の登場によって、モータの騒音や振動は大きな問題となってきました。騒音や振動の原因は、トルクリプル(*1)と、コギングトルク(*2)にあることがわかっており、現実として、かなり"きわどい"設計を強いられています。磁場解析に関しては、すでに基盤技術が確立され、設計者はパラメータを入れるだけで計算ができるまでに自動化されています。この場合、設計パラメータが2つまでなら、なんとか手動で計算して計算設定ができますが、3つ以上になると、パラメータの組み合わせは爆発的に増え、たとえ自動化されていても入力するだけで嫌になります。そこで、modeFRONTIERの導入を検討したんです。
(*1)モータの回転に際してトルクが持つ変動幅
(*2)非励磁状態で回転子を動かした際に発生する磁気吸引力
図1 磁場解析における連成フロー
図1 磁場解析における連成フロー

1~2週間かかっていた解の探索作業が1日に短縮。無駄な解の探索工数も削減。

modeFRONTIERを導入する前と後では、どのような変化がありましたか。
modeFRONTIER導入前には、1~2週間かけてパラメータを振っていたのが、現在では1日程度で済みますから、工数は大幅に削減できました。数万から、数十万という組み合わせを計算しようとすると、私がいったい何歳になれば、計算が終わるんでしょうね...(笑)。それが、modeFRONTIERを使えば、24時間程度でパレート解を出してくれますので、大変助かっています。
あわせて、解析結果の標準化が図れるようになりました。つまりは、ベテランでも若手でも同じ解析結果を得ることができるようになった。解析技術を標準化し、広く設計者にリリースすることが技術開発部の目的のひとつでもありますので、その方針とも合致しています。解析の手戻りがなくなったという効果も大きいですね。
今までは、自分でパラメータを振っていたので、解が出たとしても、本当にそれが最適解なのかわかりませんでしたが、結果の検証は必要だとしても、最適解がわかるようになりました。また、製品の限界がわからないため、目標が高すぎて、気がつけば、必死で解のないところを計算していたということがありましたが、modeFRONTIERを使えば、そういうことは無くなりますからね。
無駄な探索をしなくてよくなったということですね。こういった効果を挙げられていることは、本当に嬉しく思います。つづいて、modeFRONTIERを使った事例をご紹介いただけますでしょうか?
設計変数は対象によって様々ですが、だいたい5~6個くらいの設計変数で初回の計算を実施して、おおよその解の見当をつけます。その結果から、より効きそうな箇所を詳細に計算していくというフローをとっています。今回は、ある製品に使われているモータの最適化計算についてご紹介します。
設計変数は、スロット内径、スロット開口幅、ティース幅、マグネット幅、マグネット内径偏芯量としました。目的関数は、トルクリプルの最小化とコギングトルクの最小化の多目的最適化で、最適化アルゴリズムは、MOGAⅡを使用しています。また、拘束条件として磁束が弱いものをNGとするようにしました。2次元の磁場解析なら1ケース数分で完了します。通常であれば、トルクリプルとコギングトルクは、どちらかを下げると一緒に下がってくれますが、極限での設計となると、そのあたりが非常にナーバスになって、どちらか一方を下げると、片方があがってしまうという状況が起こります。
図4 コギングトルクとトルクリプルの最適化
図4 コギングトルクとトルクリプルの最適化
図4は、コギングトルクとトルクリプルの最適化を行った結果です。最適化計算により、ベースデザイン(初期形状)よりもコギングトルク、トルクリプルとも小さく、かつ磁束も制約条件を満たした解の探索に成功していることがわかります。
図5 最適化前後のコギングトルクの波形
図5 最適化前後のコギングトルクの波形
図6 最適化前後のトルクリプルの波形
図6 最適化前後のトルクリプルの波形
図5・6は、最適化前後のコギングトルクとトルクリプルの波形です。初期形状と比べると、最適化によりコギングトルク、トルクリプルとも値を小さくすることに成功していることがわかります。今回ご紹介した事例ではありませんが、現在弊社が開発しており、約1~2年後に販売される製品にも、modeFRONTIERを適用させました。
ありがとうございます! 私どもも、新製品のリリースを心待ちにしております。
省略

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分野1:
電磁場解析
分野2:
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