IDAJ

Case Study実績・お客様事例

三菱化学 様(CDAJ news vol.61)

化学開発における技術課題に「modeFRONTIER」をご活用

三菱化学 株式会社 黒崎事業所 開発研究所 様
CDAJ news vol.61お客様紹介コーナーより抜粋
発行日 2010年9月

解析種別:製造条件の最適化
課題等:重合反応、ポリエステル、ポリマー、重合プロセス、品質改善

省略
modeFRONTIERを採用するときの評価ポイントをお聞かせください。また、modeFRONTIERを導入されて、効果が上がったと思われるポイントもあわせてご紹介ください。
正直に申し上げると、導入時には、あまり細かくは検討しなかったんですよ(笑)最適化ツールについて、前々から情報収集はしていました。でも、具体的にどのツールを導入するかといった検討まではしていなかった。そんな時に、私どもの四日市事業所でmodeFRONTIERを導入すると聞いたので、それなら自分たちも!と。ただ、三井化学様で使われている事例を、ユーザー会だったかな・ ・ ・?(※注2:CDAJ CAE Solution Conference 2005、2007 三井化学エンジニアリング様がご発表)そこでプロセスシミュレーターとの連成事例をご発表されており、ちょうど同じようなことをやりたいと思っていたので後押しされました。実際にmodeFRONTIERを使ってみると、ソフトウェアとして大変使いやすい。一度、概念を理解すると比較的簡単に使えます。また、ソフトが日本語化されていることもいいですね。ユーザー拡大にはアドバンテージです。グラフィカルなところもいいですね。アイコンをクリックすると表示される、入力必要情報などを示したヘルプもわかりやすく、助かっています。
以前は、例えば製造条件の最適化の場合に"100℃ではダメだったから、今度は105℃にしてみよう"と、過去の経験や熟練者の勘に頼っていたことは否定できません。しかし、それにも限界を感じていたことも事実です。modeFRONTIERを導入してみて、経験や勘をシミュレーションで再現させて、初期段階である程度良い結果を予測するということを達成できました。導入時には、自分たちがコンピュータに張り付いて作業していたことを、modeFRONTIERが代わって計算してくれるなら、工数削減には効果があるだろうとは見込んでいました。しかし最近では、経験がない者でも精度の良い予測がたてられたり、"ここには答えがない"と判断する材料を提供してくれるので、答えがないエリアを深追いすることもないし、答えがないことが判断できる材料を提供してくれる。こういう効果は、導入当初は予想しなかった効果です。「自動化」「最適化」ツールといった呼び方を変えたほうが、よく売れるんじゃないですか?(笑)
ありがとうございます! まさしく最近のmodeFRONTIERの機能を十分に活用していただいており、大変嬉しく存じます。 今年のカンファレンスには"「考える」を支援する新たな最適化ツールへ"というタイトルを付けました。そこで、このタイトルにふさわしいご発表を菊地様にお願いいたしました。ぜひ、この場でご紹介いただけますか?
わかりました。発表では弊社の中で非常に多く使われているテーマ"重合プロセスにおける速度パラメータの決定"と"品質改善・製造条件最適化"をご紹介しました。

複雑な化学プロセスの検討には欠かせないツール。

最初のテーマは、ポリエステル系重合反応プロセスの検討です。複数槽からなる連続ポリマー重合反応プロセスの特徴は、粘度上昇による混合性低下や副反応の存在などがあります。
図1 化学反応速度の決定方法
図1 化学反応速度の決定方法
このプロセスをプロセスシミュレーションツールAspen Plusを使ってモデル化するのですが、高精度なモデルにするためには、実績から得られた結果と合うように、反応速度パラメータをチューニングする必要があります。しかし非線形性が強く、成分、式が多い場合には、手作業でチューニングすることはとても困難で、さらに温度、粘度などの複雑な相互関係も、難度が上がる一因となっています。 こんなときにmodeFRONTIERが活躍してくれます。
図2 連成モデル、計算の流れおよび結果
図2 連成モデル、計算の流れおよび結果
modeFRONTIERの効率的な探索性能によって、各物性において、広範囲に渡り実績と非常によく一致した、高精度なモデルを構築することができました。このように、今までは困難で、非常に長い期間をかけていた反応速度パラメータのチューニング作業も、modeFRONTIERを導入することで、大幅な効率化を図ることができました。 2つ目のテーマは、品質改善・製造条件の最適化に適用した例です。これは、既に構築されたシミュレーションモデルを使用して行うのですが、従来の手作業による最適解探索では、
  • 過去の実績から推察するため、過去の実績に依存しやすい
  • 作業者の熟練度が必須
  • 各パラメータの寄与度が不明
  • 検討結果からでは追加解析の要否がわかりにくい
といった問題がありました。そこで、modeFRONTIERを使用し、実績の少ないトレードオフ関係にある物性XとYを、ともにできるだけ低い値にするという目的で、運転条件の最適化に取り組みました。
図3 品質改善における活用
図3 品質改善における活用
図4 最適化結果
図4 最適化結果
最適化結果から、目標スペックに到達可能な運転条件を見つけだすことができ、また、条件の決定、品質の改善を実現できました。また各物性の感度を数値化して、物性特性の知見を得ることができたので、技術力の向上にも役立てることができたと思います。modeFRONTIERは
  • 広範囲から最適解を探索できる
  • 作業者の熟練度に関係なく検討できる
  • 寄与度を数値化でき見える化が可能
  • (上記によって)技術力の向上が可能
  • 様々な結果処理機能から、追加解析の要否を視覚的に判断することができる
といった特長があり、非常に有効なツールだという認識があるため、社内での使用状況も高い状態をキープしています。
省略

このインタビューの詳細は季刊情報誌CDAJ news vol.61でご覧いただけます。
ユーザー登録済の方はユーザーサポートセンターからダウンロードできます。

ご活用いただいている製品

分野1:
化学反応解析
分野2:
最適設計
ユーザーサポートセンター 無料で資料請求