デンソー 様(IDAJ news vol.68)
HVACをはじめとした自動車空調に関わる性能設計に「STAR-CCM+/STAR-CD」・「modeFRONTIER」をご活用
株式会社 デンソー 熱性能開発部 バーチャル性能開発室 様
IDAJ news vol.68お客様紹介コーナーより抜粋
発行日 2012年6月
解析種別:連成、二相流解析
課題等:HVAC、空調、性能設計、メッシュ生成機能、工数短縮、、騒音評価、冷媒
省略
- CAEの立ち上げから社内での技術浸透まで、様々なご苦労がおありだったと思いますが、一番ご苦労されたことは何でしょうか。
- "時間をかけて計算するより実験した方が早いんじゃないか"、"経験や勘で設計ができる"といった考えを持つ人に対して、CAEの有用性を理解してもらうことに苦心しました。わかってもらうには、一にも二にも、実績を積んでいくしかありません。
STAR-CDも使い始めた頃はメッシュの作成に時間がかかりましたし、ハードウェアの制限からメッシュ数も少なく、精度もあまり良くありませんでした。図1を見ていただくとわかるように、90年代はじめから中頃までは、メッシュ生成に多くの時間を費やしていました。その後、メッシュ生成機能が大幅に向上し、それとともに、ハードウェアの性能も飛躍的に向上、数多くの解析実績を経てようやくCAEが実際の設計で使えることを理解してもらえるレベルにまで到達しました。基本的なことかもしれませんが、メッシュ作成工数の短縮と適切なメッシュ作成は、CAEの浸透のために非常に重要なことだと思います。
計算精度向上に向けては、STAR-CDがユーザーサブルーチンを自由に使えたことが大きかったです。実験等で得た知見や理論式をユーザーサブルーチンとしてモデルに組み込むことができるので、HVACの計算等全てのテーマで精度向上を実現することができました。この機能はSTAR-CD導入初期から多用していますが、サブルーチン組み込み時には御社エンジニアに非常に良くサポートしていただきました。ソフトウェアのソースレベルまで理解されているエンジニアが多くいらっしゃったので非常に心強かったです。図1 計算精度向上への取り組み(1)
- 現在は、弊社内にプログラム開発の専門部署がございますので、物理モデル開発等のニーズがございましたら、お気軽にご相談ください。
計算精度の向上には、「実験+計算→分析」の繰り返しが不可欠
- さて、近年でのCAEの取組みはどういった内容になるのでしょうか。
- 地道なトレーニングなどを通して利用者を拡大する一方で、確立した技術の汎用化にも取り組んでいます。
設計者の中にも、解析ができる技術者が増えてきていますので、STAR-CCM+のJavaマクロを利用した専用パネルを作成して、彼らのミスを低減するような仕組みを作りました。また、私の部署に所属するメンバーは全員、解析結果評価についての研修を受講するようにしています。実験を担当するエンジニアが計算結果を見ることは、非常に有意義なことです。改良すべきポイントが一目でわかりますからね。例えば、実験では入口や出口付近の風量等を計測することはできても、内部でどのような流れが発生しているかまでは計測しづらい。そこで、CAEによって実験では確認できない、もしくは確認しづらい箇所を可視化しています。図2 計算精度向上への取り組み(2)
modeFRONTIERや1次元シミュレーションツールの活用
- 今後のCAEの適用範囲拡大についてお聞かせください。
- 今後は、HVACで確立した技術をもとに、他の製品開発や領域にも適用範囲を拡大していきたいと考えています。具体的にはHVAC内の騒音評価、エアコン冷媒の二相流解析、デフロスタやエアコン性能の評価、1次元シミュレーションと3次元シミュレーションの連成などです。まだまだ取り組むべき課題は山積みですね。車両統合システム解析の1次元シミュレーションではGT-SUITEも活用し始めています。
図3 計算精度向上への取り組み(3)
省略
このインタビューの詳細は季刊情報誌IDAJ news vol.68でご覧いただけます。
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- 分野1:
- 熱流体解析
- 分野2:
- 最適設計