汎用熱流体解析プログラム『STAR-CD V4.08』リリースのお知らせ - 流体解析の範疇を超えて、連続体解析ソルバーへの進化 -
株式会社シーディー・アダプコ・ジャパンは、このたび、CD-adapcoで開発された、汎用熱流体解析プログラム『STAR-CD(スター シーディー)』の最新バージョンV4.08を、2009年2月日本国内においてリリースしました。
『STAR-CD』は、CD-adapco独自のテクノロジーであるサーフェスラッパーやポリへドラルメッシュに加え、応力解析、固化/融解解析、電磁場/荷電粒子解析など、流体解析の範疇を超えて連続体解析ソルバーへと進化を遂げています。本バージョンでは、応力解析、ミキシングプレーン、Realizable k-εモデル、一般スカラー輸送方程式などの解析設定を、『STAR-CD』のプリポストツール「pro-STAR」のGUIで設定が可能となると共に、ソルバーでは次のような機能が追加、改良されています。
自由表面解析の多相対応
従来の2つの相を対象としていた自由表面解析機能が、海洋分野で実績を積んだCometソルバーのノウハウを引き継ぎ、任意の数の相を考慮できるように機能拡張されました。
オイラー混相流の多相対応
オイラー混相流解析機能のフレームワークが大幅に修正され、任意の数の相をモデル化できるように機能拡張されました。
これにより、例えば離散相として取り扱う気泡径の分布を考慮する方法としては、
1) 従来のS-γモデルを適用する方法
2) 異なる気泡径の複数の離散相をモデル化する方法
の2つの選択肢をもつことになります。

液膜モデルでの沸騰考慮
液膜モデルは気流との相互作用、表面張力、熱移動、蒸発/凝縮の影響考慮に加えて、沸騰を考慮できるように機能拡張されました。
DEM(離散要素法)機能
STAR-CDソルバーと連成可能なオリジナルのDEM(離散要素法)ソルバーモジュールの浮力モデルと、接触モデルが改良されるとともに、熱移動が考慮できるようになりました。
エンジン筒内解析の機能向上と改良
可変回転数解析への対応やes-iceを使った筒内計算の並列計算性能向上、および計算コストを抑えながら詳細化学反応を考慮することを目的としたTransient Interactive Flameletモデル (DARS-TIF燃焼モデル)が搭載されました。


STAR-CDとAbaqusによる、流体/構造の連成解析をリアルタイムに実行するダイレクトインターフェースが搭載されました。

その他の新機能は以下のとおりです。
LES用流入境界条件Synthetic Eddy Method
LES解析での流入境界において、乱流渦の旋回方向・中心位置・サイズを考慮した瞬時速度を与える境界条件が追加されました。
時間領域分割の並列計算
従来の空間領域を分割する並列計算手法に加え、時間領域を分割する並列計算手法が追加されました。非定常計算において、空間領域分割と併用することによって、CPU数を多く使う場合の並列計算効率を継続的に向上することができます。
微粉炭粒子の密度とサイズが変化する計算
微粉炭粒子の密度とサイズの変更することができるようになりました。
表面反応のユーザーコーディング
ユーザーサブルーチンが表面反応計算に対応しました。
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CD-adapcoは、流体・熱移動・応力など広範囲なエンジニアリング・シミュレーション(CAE)ソリューションの世界有数のプロバイダーで、主な拠点はロンドンとニューヨーク、その他世界中に拠点があります。STAR-CD/STAR-CCM+ は世界で最も多く利用されているCFDソリューション、またSTAR-CADシリーズはCAEコンサルティングの分野における25年の経験に裏付けられた使い勝手の良いCAD内蔵の製品としてCD-adapcoの多彩なソリューションへの入り口となる製品です。その他詳細情報についてはウェブサイトをご参照ください。
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