IDAJ

InformationIDAJからのお知らせ

熱設計プロセスナビゲータ『Thermocalc for FloTHERM』販売開始のお知らせ - 電子機器設計フローの初期段階から使う、設計者必須の熱設計シート -

株式会社シーディー・アダプコ・ジャパン(以下 CDAJ)は、このたび、株式会社サーマルデザインラボ(以下 サーマルデザインラボ)で開発された、熱設計プロセスナビゲータ『Thermocalc for FloTHERM(サーモカルク フォー フローサーム)』を、2009年7月から日本国内において販売を開始しました。

製品の小型化や高密度化の加速、省電力、静音化や耐候性の追求によるファンレスと密閉化に対応するためには、従来の熱対策では、設計工数及びコストの増加が避けられない状況となっています。そのため、より上流段階から熱設計を意識した、熱設計ルール・プロセスの構築が重要となり、新しい熱対策、設計手法を確立することが必要となります。
そこでCDAJでは、市場において、既に熱設計ツールとして実績があり、工数削減効果を上げている「Thermocalc」に着目しました。Thermocalcは、CDAJの技術顧問である国峯 尚樹(クニミネ ナオキ:サーマルデザインラボ 代表取締役)が開発した熱設計シートです。このツールにFloTHERMインターフェースを加え、『Thermocalc for FloTHERM』としてカスタマイズしたツールを、CDAJが独占販売することとなりました。
『Thermocalc for FloTHERM』を製品企画段階から活用することで、全実装部品の温度予測、熱的に危険な部品の洗い出し、製品の成立性の検証をおこなうことができます。熱対策用の各種設計ツール(ヒートシンクやファン、基板/筐体の伝導放熱等の効果を評価する機能)も備えているため、対策の効果も簡単に確認することができます。
したがって、CDAJでは上流での設計プロセス検討に『Thermocalc for FloTHERM』を利用し、その検証プロセスとして電子機器専用熱設計支援ツール「FloTHERM」の利用を推奨しています。部品情報を「FloTHERM」や「FloTHERM.PCB」にエクスポートし、より詳細な熱流体解析へ発展させ、上流熱設計の計画的実行及び熱解析ツールの効果的利用により、開発コスト削減・期間短縮の実現が可能となります。

次に主な機能をご紹介します。

簡単なパラメータ入力による温度予測

簡単なパラメータ入力による温度予測

筐体(自然空冷、強制空冷、密閉、屋外日射、シエルフ実装)、部品(単体、基板実装、パルス発熱)、ヒートシンク(くし型、ピン型、円筒型、複数部品搭載型、熱交換器型)など、画面に仕様を入力するだけで簡易の熱計算をおこなうことができます。

各種アドバイス機能

例えば、ヒートシンクの最適フィン枚数、推奨ファンリスト、必要通風口面積、消費電力低減目安など、設計ガイドラインを表示します。これによって効率的な放熱機構の設計にお役立ていただくことができます。

各種アドバイス機能

電子部品の温度マージン一括計算

機器に実装された全部品の温度マージンを一括で計算します。温度マージン計算の対象となる部品情報(外形や消費電力)は、部品データベースにインポートしておくと、部品番号や品名を指定するだけで自動設定されます。

電子部品の温度マージン一括計算

熱回路網法による温度分布解析

基板にレイアウトした部品の相互影響を計算し、温度予測をおこなうことができます。 プリント基板の配線を考慮した熱伝導率の設定ができ、本格的な熱流体解析の前に、基板の熱対策の簡易的なシミュレーションが可能です。

熱回路網法による温度分布解析

以下に、その他機能をご紹介します。

筐体設計用熱計算シート

自然空冷の通風筐体・密閉筐体(自然空冷可否判断、自然空冷筐体、筐体内部温度計算)、自然空冷の垂直基板列(自然空冷シェルフ概算、自然空冷シェルフ)、強制空冷の通風筐体・基板列、日射を受ける屋外設置筐体のための熱設計シートです。

筐体設計用熱計算シート

基板設計用熱計算シート

実装部品の温度計算(温度マージン一括計算、実装部品温度計算)、部品単体の温度計算(単体部品温度計算、単体部品過渡応答計算、パルス部品過渡温度計算)、プリント基板関連ユーティリティ(PCB等価熱伝導率計算、プリント基板温度計算、部品・基板間熱抵抗、部品寿命予測計算)のための熱設計シートです。

基板設計用熱計算シート

ヒートシンク設計用計算シート

1部品実装ヒートシンク(自然空冷フィン、強制空冷フィン、強制空冷ピンフィン、円筒型自然フィン)、複数部品実装ヒートシンク(汎用ヒートシンク、マルチ部品ヒートシンク)、大パワー用ヒートシンクモジュール(強制空冷熱交換器、水冷モジュール)、ヒートシンク関連ユーティリティ(ヒートシンク概略設計、放熱プレート、フィン効率、接触熱伝導、伝導熱コンダクタンス)

ヒートシンク設計用計算シート

ユーティリティとライブラリ

各種ブロック形状の温度(自然空冷ブロック、強制空冷ブロック)、通風抵抗計算、自然対流熱コンダクタンス、強制対流熱コンダクタンス、管路圧損発熱計算、蒸発速度計算、データベース(ファンライブラリ、各種部品)のための熱設計シートです。

株式会社 サーマルデザインラボ について

代表取締役:国峯尚樹(くにみね なおき)
サーマルデザインラボは、エレクトロニクス機器の熱設計や冷却技術に関する技術コンサルティング会社です。国内外の電機メーカを中心に製品の熱対策コンサルティング、熱設計プロセス改革の支援、技術指導などを行なっています。また熱設計用ソフトウェアとしてThermocalc(電子機器熱設計計算)、Nodalenet(熱回路網・流体抵抗網解析ソフト)や個別製品向けの専用設計システムの開発も行い、多くのメーカで利用されています。その他詳細情報についてはウェブサイトをご参照ください。(http://www.thermo-clinic.com "熱設計なんでも相談室")

*本文中に記載の会社名、商品名、サービス名等は、それぞれ各社の商標または登録商標です。
ユーザーサポートセンター 無料で資料請求