Ansys HFSS高周波向け電磁界解析ソフトウェア
特徴
小規模から大規模な解析にまで適用可能な多種類のソルバー
有限要素法、モーメント法、SBR+、ハイブリッドなどの多種類のソルバーを使い分けることにより、アンテナや高速伝送用コンポーネント、導波路などの電気的に小さい構造から、ミリ波レーダを用いたADASや5G通信システム、EMC解析などの電気的に非常に大きい構造まで、電磁界の幅広い領域を効率良く解析することができます。

5G解析に最適なハイブリッドソルバーによる解析
小型のアンテナを多数設置する5Gなどの高速無線通信に使用されるミリ波帯の解析では、メッシュ数が増え、膨大な量の解析が必要となります。HFSSでは、有限要素法によって次元モデルの形状に合わせた無駄のない正確なメッシュを作成することが可能で、解析空間や適切なソルバーを選択して効率良く解析する機能により、複雑な構造であっても少ない時間で、正確に計算することができます。

設計コラボレーションを向上させる「3Dコンポーネント」
解析モデルを構成するオブジェクト群をコンポーネントとしてライブラリ化する機能で、社内はもとより、お客様ともコンポーネントを共有することができます。共有にあたって、形状や材料などの設計情報を提示したくない場合は、コンポーネントを暗号化することで情報を非表示にすることが可能です。暗号化した場合は内部の電界分布などは見られませんが、暗号化した情報を利用して解析することはできますので、伝送特性やSパラメータなどの結果を得ることができます。

複雑なRF解析を簡単に設定できる「RFオプション」
回路や放射を含むRFシステムにおいて、干渉の原因が複数あるような複雑な環境でのRF解析を効率良く実施するためのオプション機能です。ハーモニックバランス回路シミュレーションや積層構造に特化したモーメント法の電磁界解析、QAM変調/復調システム、無線周波数干渉を含めたRF環境全体を解析するEMITなどが含まれています。

シグナルインテグリティの解析を簡単に設定できる「SIオプション」
シグナルインテグリティを解析するオプション機能で、高速信号の過渡解析や特定インピーダンスを評価するTDR解析、高速アイパターン解析のQuickEye、実動作の信号を使用したEMI解析などが実行できます。

アレイ状のアンテナ解析を高速で処理する「フィニティアレイ」
有限のアンテナアレイ構造をHPC機能により並列処理で解析する機能です。まず、元となるアンテナを個別に解析して、その解析結果を分散させてフルサイズのアレイモデルとして解析するため、全体を一度に解析する場合に比べてメモリを大幅に削減でき、高速に計算することができます。全給電点のSパラメータやフルモデルの近傍電磁界分布、遠方界を出力することができます。

レイトレース法による大規模解析「SBR+」
多重反射を考慮したレイトレース法によって、他の電磁界ソルバーでは利用できない物理回折理論(PTD)、一様回折理論(UTD)、クリーピング波の高度な物理現象を考慮することができる最先端の解析ソルバーです。航空機に搭載されたアンテナの遠方界特性を高速で計算することができ、GUIを使用したミリ波レーダのドップラーレンジ解析なども行うことができます。

複雑なメッシング作業を必要としない「自動アダプティブメッシング」
Ansysの優れたメッシング技術である「自動アダプティブメッシング」は、解析周波数と精度を設定するのみで、解析対象の波長に合わせた最適なメッシュを自動的に生成します。

並列処理によって解析速度を向上させる「ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)」
解析に利用するパソコン内の並列処理機能と、ネットワークに接続されている複数のパソコンに対して、下記の各解析プロセスを分散させて解析速度を向上させるオプションです。
- マルチスレッド化
- スペクトル分解法
- 領域分割法
- 周期的領域分割
- ハイブリッド領域分割法
- 分散型ダイレクトマトリクスソルバー
- 分散型メモリマトリクスソルバー
- クラウドHPC