iconCFDオープンソースベース汎用CFDソフトウェア
カスタマイズ例2
マフラー(排気系)車外騒音解析事例
排気系騒音解析は、大規模な非定常解析を実施する必要があるため、多大な計算コストのかかるCFDアプリケーションの一つです。そこで、オープンソースベースiconCFDを利用することで,解析コストを劇的に低減した例をご紹介します。
本解析に使用したソフトウェアは、以下の通りです。
- ennovaCFD
- iconCFD-Coreモジュール
- iconCFD-IDAJモジュール
- EnSightまたはparaview

解析条件
排気系騒音解析ソルバーを用いて、マフラー騒音解析を実施しました。入口条件は、以下に示すような8,500rpmで運転される単気筒4サイクルエンジンを想定しており、GT-SUITEや計測値で得られた速度を使用しています。

解析結果
こちらは、排気管出口の渦と圧力コンター図です。

下図の点6における音圧レベル(SPL)分析をしたグラフを示します。前項の放出渦間隔と移動速度から求めた周期は、約1,000HzでSPLピークと一致しています。

下図は、点6におけるSPLで、図中の赤丸は、エンジン回転次数を示しています。 結果を見ると、回転次数点にピークがあるものの、最も大きい値は6.5次であり、また、1.5次にも大きなピークが見られます。

下図は、点6における1/3オクターブバンドSPLです。
バンド中央値200Hzとバンド中央値1,000Hzの大きなピークが見られます。A特性を考慮すると、1,000Hz近傍の騒音が顕著であると推察することができます。

結果処理(周波数分析)
任意の断面で、1/3オクターブバンドの各バンドのSPLを表示することができます。以下は、出口中央断面でSPL分布を表示したものです。

結果処理(任意の周波数帯の圧力分布)
圧力データをFFTで周波数分析した後、バンドパスフィルターをかけて任意の周波数帯を抽出し、逆FFTで圧力データに変換しました。この例では、1,000Hz~2,000Hzの成分のみを含む圧力分布を示します。

結果処理の機能は以下の通りです。(paraviewのプラグイン)
- 点データのFFT変換(圧力とSPL)
- 点データの1/3オクターブバンド処理
- 面データのFFT変換(1/3オクターブバンドのみの圧力とSPL)
- 面データの特定周波数抽出後、圧力データに逆変換
- (開発予定)点対点のクロススペクトル処理
本事例やその他カスタマイズ事例に関してご興味のあるお客様は、どうぞお気軽に弊社までお問い合わせください。