Ansys SCADE Suiteセーフティクリティカルな組込み制御ソフトウェア開発支援ツール
特徴1
SCADE言語によるモデリングのコンセプト
信頼性の高いソフトウェアをモデルベース手法で設計するために、以下の設計コンセプトを特徴としています。
- 構造化手法によるソフトウェアモデル設計(完全なモジュール化、階層化、再利用性、保守性)
- 強い型付けや強いセマンティックによる確定的な振舞いモデルの記述
- 安全な言語構文だけで振舞いを記述する
これらのコンセプトを背景に、データフロー・状態遷移表記によってリアクティブシステムの振舞いモデルをエディタ環境で記述します。設計モデルはセマンティックチェックによって、データ型の一貫性、代数ループ、初期値不定、未定義の型・変数の存在などが、静的に検証され、設計で発生する曖昧な表記や矛盾を未然に防ぐことが可能です。これは、グラフィカルなSCADE言語が、LUSTREという形式言語上に構築されているため、図の意味が一意に確定するからです。
ソフトウェア開発に適した統合開発環境
一般的にソフトウェア開発に使用されている統合開発環境と構成要素が同じなので、ソフトウェア開発エンジニアは、ソフトウェア開発環境の移行時の使い勝手も継承できます。フレームワーク内でモデル要素を定義し、右側のウィンドウ上で編集します。各ウィンドウは、ドッキングウィンドウとしても機能するため、使い勝手に応じて環境を構成し、ウィンドウを縦または横に分割したタイルウィンドウを用いて編集することも可能です。ツールバーを含めたウィンドウ構成を個別に保存し、使用するユーザーや作業に応じた環境を設定するため効果的に利用できます。


直感的なモデリング
複雑なソフトウェアアプリケーションの振舞いをモデル化する場合、直感的に記述できることが、今後のソフトウェア開発でモデルベース開発を浸透させる鍵になります。そこで、Ansys SCADEでは、データフローと状態遷移を自由に"ネスト化"できるモデリングスタイル(Unified Modeling Style)を提供しています。このスタイルによって、直感的なモデリングを行い、モデルの読みやすさからレビューが効率的になります。また、複雑なデータ処理を記述するために、配列・ベクトル用の演算子、繰返し処理をパターンとして表現する"繰返し演算子"(Map、Fold、MapFold、Mapi、Foldi、Foldw演算子)と"デシジョンダイアグラム"(IFブロック、Whenブロック)をグラフィカルに使用することができます。


エディタ環境の充実した機能
2つのプロジェクト間の差分をモデル要素レベルで解析するModel Diff機能を、エディタ機能の1つとしてご提供します。差分は、セマンティックとしての差異を検出しますので、オブジェクトの配置変更のように意味に差がない変更は、差分として検出されません。また、差分検出はコマンド実行でも実施可能で、モデルの差分を構成管理ツールからHTML形式のレポートとして出力することができます。


新たにEclipse-readyプラグインを含むEclipse APIを提供しています。 Ansys SCADEプロジェクトやモデル要素へのアクセス(書込み/読出し)は、Eclipse Modeling Frameworkで行います。

ソースコードコントロールインターフェース(SCCI)をサポートしている構成管理ツールと、SCCI経由でリッチな連携が可能です。

