産業別パッケージ
自動車産業向けパッケージ
自動車業界では、年々、制御ソフトウェアが複雑化・大規模化し、これらに対応するために、AUTomotive Open System Architecture(AUTOSAR)の導入、また、作成したソフトウェアの適合や計測をスムーズに実施するための標準化(ASAM)が進められています。Ansys SCADE 自動車産業向けパッケージは、機能安全規格 ISO 26262(ASIL-D)を取得したコード生成機能に加えて、AUTOSARやASAM、自動車業界で比較的使用されることが多いdSPACE社のHiLS環境に対応した開発を支援します。
自動車産業向けパッケージは、Ansys SCADE Suite Advanced Modeler Seat(基本となるGUIのライセンス)があれば追加コストなしでご利用いただくことができます。
本パッケージに含まれる機能
- ARXMLファイルのインポート・エクスポート(AUTOSAR R4.2.2に対応)
- Ansys SCADE ArchitectのAUTOSAR専用のプロファイル(Ansys SCADE ArchitectのConfigurator機能を用いて、SysMLをAUTOSAR用に拡張したプロファイル)
- Ansys SCADE Architect上のAUTOSARモデルに対する専用のモデルチェッカー
- コード生成時に、AUTOSAR RTEインターフェース用のラッパーコードを生成(ラッパーコードもISO 26262 ASIL-Dに対応)
- 固定小数点ライブラリの生成
- ASAM-MCD 2MCに準拠したASAP2ファイルの生成
- MicroAutoBoxに対応
ISO26262に対応したAUTOSAR SWCの開発をあわせてご覧ください。
AUTOSARに対応したソフトウェア開発の流れ
Ansys SCADE は、AUTOSARのソフトウェアコンポート部の作成を担います。AUTOSARに対応したソフトウェア開発では、ARXMLファイルをAnsys SCADE Architectに読み込み、アーキテクチャ情報を取り込むことで開発をスタートするトップダウンアプローチと、Ansys SCADE Suiteで既に作成している制御ソフトウェアをAnsys SCADE Architectへ同期し、ARXMLファイルを出力するボトムアップアプローチの2パターンで設計・開発を行うことができます。


Ansys SCADE ArchitectによるARXMLのインポート・エクスポート
Ansys SCADE Architectは、SysMLを用いたシステム設計ツールで、AUTOSAR用のプロファイルをご提供します。
- インポートしたARXMLファイルは、AUTOSAR用プロファイルのオブジェクトを使って変換
- エクスポート時は、 アプリケーション層の情報をARXMLファイルに変換

AUTOSAR専用のモデルチェッカー
Ansys SCADE Architect上で作成したAUTOSARに対応したモデルが、AUTOSARの規約に則って作成されていることを確認する専用のモデルチェッカーです。

Ansys SCADE ArchitectとAnsys SCADE Suite間の双方向同期
Ansys SCADE ArchitectとAnsys SCADE Suiteは双方向に同期することが可能で、システム設計とソフトウェア開発間で、情報を行き来しつつ開発を進めることができます。これによって、システム設計とソフトウェア開発間でモデルの一貫性を確保しつつ、再帰的な開発を可能にします。

コード生成
コード生成時にAUTOSAR Runtime Environment(RTE)インターフェースに対応したラッパーコードを生成するため、AUTOSAR Basic Software(BSW)と簡単に統合することができます。Ansys SCADEに搭載されているコード生成機能は、ISO26262 ASIL-Dを取得しています。さらに、モデルとコードの一致性が確認されているため、コードレベルの検証やBack to Backテストを省略することができます。

dSPACE社 MicroAutoBoxをサポート
Ansys SCADEは、Ansys SCADE Suite上で作成したソフトウェアモデルに対して、MicroAutoBoxに対応するインターフェースライブラリをご提供します。このライブラリを用いて、MicroAutoBoxの入出力チャネルに対応したインターフェースを定義してビルドすることで、dSPACE社のControlDeskにAnsys SCADEモデルをインポートすることができ、MicroAutoMox上でのRCP(Rapid Control Prototyping)を用いたテストが可能となります。