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Product製品情報

Simcenter Flotherm電子機器専用熱設計支援ツール

特徴

入手した各データからモデルを作成

プリント配線板

基板・回路設計担当から基板をモデル化するための情報を入手します。専用のインターフェイスEDA Bridgeで、Xpedition(シーメンス社製)、CR-5000 Board Designer(図研社製)、Allegro(ケーデンス社製)といった基板CADツールから出力されたデータやODB++ファイルはもちろん、厚さやパターン画像などの配線層情報からモデル化を行うことが可能です。また、基板上の部品に対して、発熱量や位置などをCSVファイルを使って一括で設定することもできます。
また取り込んだデータから、基板の層構造や配線パターン、層間ビアを詳細にモデル化することができるため、より精度の高い解析を実施することができます。

プリント配線板の図

半導体パッケージ

ジャンクション温度をはじめ、半導体パッケージ各部の温度を高精度で予測するためには、内部構造の正確なモデル化が必要です。「半導体パッケージ部品データ作成WebツールSimcenter Flotherm Pack」があれば、Web上での対話形式で設定を進めていくことで、複雑な内部構造を考慮した詳細モデル、DELPHIモデル、2抵抗モデルという解析用モデルを、容易に作成することが可能です。
Simcenter Flotherm Packの詳細については、以下をご覧ください。

半導体パッケージの図

筐体・メカ形状

メカ設計担当から、筐体をはじめとしたメカ形状のデータを入手します。各種メカCADとのインターフェイスSimcenter MCAD Bridgeを用いれば、筐体形状などの3次元形状を取り込むことができます。また、Simcenter Flothermには、ヒートシンクやファン、ヒートパイプといった電子機器特有の形状テンプレートが多数準備されています。これらのテンプレートをメカCADから作成した形状と合わせて熱流体モデルを作成することもできます。

筐体・メカ形状の図

解析実行~結果処理

メッシュ生成

形状作成と同時にメッシュが生成される「完全自動メッシュ機能」を持つSimcenter Flothermでは、解析メッシュの詳細度を「粗い」・「中間」・「詳細」の3段階から選択するだけで一瞬でメッシュ作成が完了し、メッシュが表示されます。さらに、任意の部品周りにだけに細かいメッシュを設定する「局所メッシュ」機能、モデルの形状や位置の変更に応じて自動的にメッシュが再作成される「オブジェクト指向メッシュ」機能があります。局所メッシュの設定では部分的な重なりの設定が許容されていますし、形状変更とメッシュ再生成が同時に、しかも自動的に行なわれるため、多くのモデルの解析を柔軟かつ効率的に実施できます。

メッシュの自動生成

解析実行

Simcenter Flothermに搭載された少メモリの高精度ソルバーは、自然対流を安定的に解き、長時間の過渡計算も高速に解きます。また、形状変更後の解析は、変更前の結果からの続きとして行なわれるので、より短い時間で新たな結果を得ることができます。また、ジュール発熱の解析にも対応しています。

解析結果の確認

固体表面の温度分布や任意断面での温度、速度分布、ファンなどからの流跡線を表示することができます。また、形状や流体を伝わる熱流束や放熱経路のボトルネックを表示することができるなど、熱設計に有効な結果を得ることができます。もちろん、モデル内の各物理量の値はデジタル値として確認でき、csvファイルとして出力することが可能です。
また、解析結果はフリービュワ―「Simcenter Flotherm Viewer」で確認することができます。
Simcenter Flotherm Viewerの詳細については、以下をご覧ください。

熱流体解析を効率よく進めるための便利機能

  • パラメトリック解析機能
    ヒートシンクのフィン枚数や発熱量など、Simcenter Flothermで設定できる変数をパラメータとしたパラメトリック解析が可能です。ユーザーは『○○の値を△~□ [mm]の間で変更』といった要領で設定するだけで、Simcenter Flothermが自動的に『形状変更・メッシュ再生成 ⇒ 解析自動連続実行』を行ないます。多くの形状の比較検討を効率的に行うことができます。
  • 単目的最適化機能
    複数の解析結果から応答曲面を作成し、目的の条件にみあった最適なケースを自動的に選び出すことができます。
    単目的最適化機能の図
  • ジュール発熱機能
    複数のオブジェクトで構成された部品に対して、電流や電圧の入出力箇所を設定するだけで、固体の電流、電圧、ジュール発熱分布を計算することができます。
  • 過渡熱試験装置「Simcenter T3STER」キャリブレーション機能
    シーメンス社が提供する最先端の過渡熱試験装置Simcenter T3STERは、測定結果から得られた熱抵抗データと構造関数をSimcenter Flothermフォーマットで出力することができます。
    読み込んだSimcenter T3STER実測の構造関数とSimcenter Flotherm XTでの過渡解析結果から得られる構造関数が合致するよう、Simcenter Flotherm XTモデルのキャリブレーションすることが可能です。
    これにより、実測データをもとにした解析モデルを作成することができます。
    単目的最適化機能の図
  • 低次元モデルの出力機能
    Simcenter Flothermには、BCI-ROM(Boundary Condition Independent-ROM)とThermal Netlistの2種類の低次元モデル出力機能があります。出力した低次元モデルを、システムツールや回路シミュレータで解析することで、高速に各部温度の過渡応答結果を得ることができます。
    BCI-ROMは、システムツールMATLABおよびその互換ツールであるGNU Octaveのフォーマットとなっており、周囲温度と境界条件としての熱伝達係数を変化させて解析することができます。
    Thermal Netlistはシーメンス社の回路シミュレータEldoのフォーマットで、周囲温度を変更した解析が実施できます。
  • 組み込み型BCI-ROM
    組み込み型BCI-ROM(EROM)はSimcenter Flothermで使用可能なBCI-ROMで、内部構造をブラックボックス化でき、マルチチップ(複数発熱箇所)や過渡解析にも対応した高精度モデルです。他の部品と同じ感覚でSimcenter Flothermで使用できるため、部品単位でEROMを作成し、それをセットモデルにインポートして解析するといった使い方が可能で、電子機器サプライチェーン間のモデル流通に最適です。
    組み込み型BCI-ROMの図
  • 自動化(FloScript)
    XMLフォーマットで記述されたFloScriptファイルを読み込んで自動実行させます。任意の断面温度分布を取得して画像として出力する、MCAD Bridgeで指定したサイズで直方体分割する、複数のアセンブリの名称を変更するなどの操作を自動化させることはもちろん、Excelマクロ等を用いて、モデル作成や解析自動実行などの必要な機能持ったシステムを構築することも可能です。
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