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Consultingコンサルティング

SPDM(Simulation Process & Data Management)の導入

自動車のような大規模かつ複雑なシステムにおいては、設計開発のプロセスが複数の部門に跨るため、担当者間あるいは部門間でモデルやモデルを用いて得られた結果を共有することが不可欠です。しかしながら現実には、シミュレーションのタスクやデータの管理が属人化しており、モデルの円滑な共有の妨げになったり、過去の解析結果が点在してナレッジとして活用できないなどの弊害が顕在化しています。
これらの問題を解決し、モデルベース開発の効果を最大限、享受するためには、以下が必要となります。
①使用目的に応じたシミュレーションモデルの粒度、I/Oのルール、作成プロセスの明確化
②完成したモデルや解析結果をデータベースとして管理

このような枠組みあるいは活動を指してSPDM(Simulation Process and Data Management)と呼び、最近ではPLM(Product Life-cycle Management)ソフトウェアを活用したSPDMの取り組みが少しずつ広まっています。
IDAJでは、このようなSPDMのプラットフォームのご提供だけでなく、お客様の設計開発の業務フローや体制に合わせてシミュレーションプロセスの標準化やナレッジの活用方法をご提案します。

SPDMの導入の図

シミュレーションプロセスの設計

担当者や部門を跨いだ円滑なモデルの共有と再利用を進めるためには、モデル作成のルールとプロセスを定めることが重要です。IDAJでは、モデルの共有と再利用の妨げとなっている課題をヒアリングした上で、適切なモデル作成のルールを検討するとともに、お客様の業務フローに合わせたシミュレーションプロセスをご提案します。

モデル作成ルールの検討

モデルを活用する上では、しばしば下記のような問題が発生します。

  • 構成の少しずつ異なる派生モデルが乱立し、いつ、誰がどんな目的で作成したモデルかトレースができない
  • モデルの粒度や精度がまちまちで再利用ができない
  • パラメータのInput/Outputなどの連携ルールが決まっておらず領域間でモデルが連携できない

このような課題を解決するため、モデル作成のルールを定めます。

使用目的と粒度
  • 各モデルを開発プロセスの「どこで」「何の目的で」使用するかを明確にする
  • 必要となる精度とスピードに応じてモデルの粒度を決める
モデルI/O(Input/Output)
  • 使用目的を明確にすることで、そのモデルの連携相手と、その際にどのようなI/Oがが必要となるかが自ずと決まる
作成手順
  • モデル作成に必要な情報とその取得方法(過去設計、3次元CAE、実測)を決める
  • キャリブレーションが必要な場合は、その手順と合否の判断基準を明確にする
シミュレーションプロセスの提案

ルールに則ってモデルを作成し、それらを共有・活用するために、各担当者に割り当てるタスク、ならびに業務とデータのフローを検討します。プロセスを明確に定めることで、SPDMプラットフォームに実装すべきシミュレーションプロセスの「設計図」を作成します。

シミュレーションプロセスの提案の図

シミュレーションプロセスの実装

デジタル・エンジニアリング技術による設計・開発の工数削減やCAE業務プロセスの効率化を目的としたシステムの構築においては、企画立案段階で「お客様のご業務や製品に関する知識」、「MBD・CAEの知識」、「ITの知識」が必要です。弊社のシステム構築を担当するエンジニアは、デジタル・エンジニアリングツールのユーザーとしての豊富な経験と知識を持ち、かつITにも精通しています。そのメンバーが企画立案段階から参加させていただき、システム開発において実現したいこと、実現できることを明確化し、目指すべき将来像についてディスカッションさせていただきます。その上で、お客様の課題解決への道筋とターゲットの絞込みを効果的にサポートします。

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