IDAJ

Solutionソリューション

0D・1D・3D CAEの活用と連携

モデルベース開発(Model Based Development:MBD)のねらいである高いレベルでの協調設計を実現するには、流体・構造・電磁場・電気の各物理分野、あるいは0D・1D・3Dの各次元における個々のシミュレーションを活用するだけでなく、これらを強固に連携させながら設計プロセスへ組み込むことが不可欠です。

マルチフィジックス:異なる物理を「つなぐ」

流体力によるタービン翼の振動、電磁加振力によるモーターコアの振動、ジュール損失による電子部品の発熱とその強制空冷、ウォータージャケットによるエンジンの冷却とそれにともなう熱疲労など、製品設計で扱うほぼすべての現象には複数の物理が介在しています。
このような現象を精度良くとらえるため、流体-構造、電磁場-構造、電磁場-流体など異なるソフトウェア間で必要な物理量を受け渡すための技術をご提供します。また、流体力による構造物の大変形や電磁流体など、各物理の相互作用が重要となる現象に対しては、各ソフトウェアの同期をとりながら過渡解析を行う双方向連携の仕組みを構築します。

片持ち梁の流体渦励起振動の流体-構造連成解析:梁が受ける流体力と、それにともなう梁の変形をそれぞれ3次元流体解析と3次元構造解析で計算し、相互に情報を受け渡す双方向連成を実施した例
(使用ソフトウェア:CONVERGE、SIMULIA Abaqus Unified FEA)

マルチディメンジョン:異なる次元を「つなぐ」

MBDにおいて、いわゆる1D CAEに代表されるシステムモデルは主に上流工程における「機能」の設計、3D CAEは下流工程における各コンポーネントの「形状」の設計に使用されます。
この設計プロセスは必ずしも上流から下流への一方通行ではなく、下流工程で決めた形状因子を上流工程で使用したシステムモデルへフィードバックし、その成立性を確認するフェーズが必要となります。
IDAJでは、機能設計と形状設計のプロセスをシームレスにつなぐための様々な技術をご提供します。

異なる次元を「つなぐ」図

1D CAEと3D CAEのダイレクトカップリング

GT-SUITEやAnsys Twin Builderなどの1D CAEのツールと3次元の流体解析ツールなどを直接カップリングさせることで、詳細かつ高い解析精度が求められる部位は3次元で、それ以外の箇所は1次元で高速に解析を実行します。

1D CAEと3D CAEのダイレクトカップリング図

吸気サージタンクのEGRガス分配解析:3次元形状の影響が大きい吸気サージタンク内部の気流や各気筒への分配は3次元CFDで、それ以外の吸気系、エンジン筒内、排気系は1次元でモデル化し、両者をカップリングした例
(使用ソフトウェア:CONVERGE、GT-SUITE)

特性値の抽出による縮退化

3次元形状と物性値などの情報から、熱回路網やRLC寄生パラメータなどの特性値を抽出し、1D CAEのツールに組み込みます。これにより、1D CAEの計算速度を犠牲にすることなく3次元の形状因子の影響を考慮した評価を行うことが可能となります。

特性値の抽出による縮退化の図

IGBTの過渡熱解析:縮退化させたIGBTの熱モデルをMATLAB/Simulinkを用いて構築した回路モデルへ組み込むことで、実使用条件下での温度の過渡評価を行った例
(使用ソフトウェア:Simcenter Flotherm)

代理モデルによる縮退化

3次元の解析結果に対して、応答曲面法を用いた近似関数や機械学習などを適用することで代理モデルを構築し、1D CAEに組み込みます。このとき、扱う現象の種類によって適した手法を選択する必要があります。

  • 扱う現象の線形性・非線形性
  • 代理モデルへの入力の種類(境界条件・形状寸法)とタイプ(スカラー量・時系列)
  • 代理モデルからの出力の種類(スカラー量・時系列)
代理モデルによる縮退化の図

深層学習を用いた代理モデルの構築:3次元CFDを用いて3つのテストシナリオに対して入力(冷却風速・バッテリー発熱量)を過渡的に変化させた場合の出力(バッテリー⇔冷却風の熱伝達量)の時系列変化を求め、これらの結果を学習させることで任意の入力変化に対する予測モデルを構築した例
(使用ソフトウェア:Ansys Twin Builder)

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