IDAJ

Solutionソリューション

モーター設計

電気機器の設計は、小型化・高性能化や環境基準への対応など、複数の要求項目のバランスを取りながら進めていく必要があります。設計の初期段階からMBD・CAEを活用することによって手戻りをなくすことができ、開発期間の短縮につながります。電磁気的な現象が主要となるモーター分野に対しても、MBD・CAEは設計の効率化に対して有効です。

モーターの設計においては、高出力や高効率といった性能の向上だけでなく、小型、軽量、低振動、低騒音、環境基準への対応といった複数の要件も満足させなければなりません。またこれら要求は複合的で、実験・試作を繰り返す旧来の手法では対応が難しいと言わざるを得ません。したがって、設計効率化のためのMBD・CAEには、多分野にわたるマルチフィジックスとしての対応が必要です。
IDAJでは、システム検討からコンポーネント設計、システム評価までの一連のモーター開発プロセスにおいて、磁界が関係する製品や現象における様々な課題に対して、経験豊富なエンジニアが電磁界・熱・流体・構造・振動・音響などの分野のマルチフィジックスMBD・CAEを用いた解決策をご提案します。

磁界解析・特性評価

2次元、3次元の有限要素モデル作成から磁界解析・損失解析の実施、諸特性の評価から報告書の作成までを実施します。解析モデルファイルのほか、効率マップの作成、プラントモデルの出力などお客様のご要望から最適なアウトプットをご提供します。

磁界解析、鉄損解析、効率マップの図

NVH(Noise, Vibration, Harshness)

近年、特に課題となっているNVH(Noise, Vibration, Harshness)の問題に対するソリューションとして、モーターを加振源とした音響解析事例をご紹介します。
各運転条件の下で磁界解析を実施した時の電磁加振力から、振動解析を行います。さらに音響解析まで実施することによって、共振モードとノイズの定量的な関係が把握でき、モーターの振動・騒音低減の対策に活用することができます。

電磁力解析、固有モード解析、音響解析、各回転数と周波数に対する音圧の変化の図

熱流体シミュレーション

IDAJが得意とする熱流体シミュレーション技術を用いて、空冷・水冷・油冷方式のモーターの冷却性能を予測することができます。

事例1:PMSM(Permanent Magnet Synchronous Motor、永久磁石同期型モーター)の水冷解析

  • 多数の部品で構成された複雑形状に対する高品質なメッシュの自動作成​
  • 評価点での実測値を精度良く再現​
  • 使用ツール:Ansys Fluent
モーター形状と測定点、冷却水とモーターの温度分布、実測と解析の比較

事例2:3相誘導モーターの油冷解析

  • 油・空気の混相解析、モーター部品の伝熱解析を交互に実施し定常解を推定​
  • 実測値を精度良く再現​
  • 使用ツール:Ansys Fluent
油冷側:混相(油+空気)、モーター側:固体部品+水冷回路、実測と解析の比較・モーターの温度分布

システム全体の性能シミュレーション

企画設計段階から、コンポーネント単位だけでなく、システム全体の性能を評価し、性能要求の成立性を早期に検証することが非常に重要です。モーターのラフな仕様や冷却方式などを、比較的粒度の粗いシミュレーションで”あたり”をつけるシステム検討フェーズから、それ以降の設計フェーズごとに適切な目標精度やモデル粒度を定めてシステムシミュレーションを実施することが、設計品質の向上と開発の効率化につながります。また当然ではありますが、システムシミュレーションにおいても電磁界・熱・流体・構造・振動・音響といった分野のマルチフィジックス・シミュレーションは重要なファクターとなります。​

事例1:システムシミュレーションによるxEVシステムの熱マネージメント/エネルギーマネージメント評価

  • 車両・バッテリー・モーター・空調・制御を含むxEVモデルを用いて、任意の走行条件下でのシステム全体の熱マネージメント評価を実施​
  • 熱・流体・機構・制御等のマルチフィジックス・シミュレーション​
  • 使用ツール:GT-SUITE
システムシミュレーションによるxEVシステムの熱マネージメント/エネルギーマネージメント評価の図
モーターモデルの粒度選択の例

事例2:コントローラ―の素子モデルを組み込んだシステムシミュレーション​

  • モード走行時の素子のジャンクション温度を合わせて予測​​
  • 使用ツール:GT-SUITE​
コントローラ―の素子モデルを組み込んだシステムシミュレーションの図

モーター制御モデル

IDAJでは、モーターシステムの詳細シミュレーションモデルを構築することが可能です。例えば、磁界解析の結果からモーターのプラントモデルを作成し、MATLAB/Simulinkによりモーターの詳細制御モデルを構築します。これによって、制御(PWM)の影響までを考慮した様々なモーターの動作特性を解析することができます。

モーター制御モデル、モーターのトルク―電流指令変換(MTPA)マップの図

数値最適化

モーターの設計条件を満たしながら要求性能間のトレードオフの関係を把握し、ベストな設計デザインを得るためには最適化計算とそれを自動で行うための仕組みづくりが必要です。例えばモーターの形状最適化の場合、電磁界解析の結果から設計上必要な複数の物理量を抽出し、設計要求からそれらのトレードオフの関係を把握しつつ、最終的に設計者が最良の設計デザインを選択しなければなりません。
IDAJでは多目的最適化計算の仕組みづくりを通じて、お客様の意思決定を支援します。

自動最適化のワークフロー、最適化の進捗確認、多変量分析の図
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