輸送・製造関連産業においては、主に移動や製造におけるエネルギー源のシフトが主な取り組みテーマです。
例えば、自動車・蓄電池の分野では、2035年までに新車販売における電動車（xEV）の割合を100%にするとともに、インフラを整え排出ガスの低減を図るために、エネルギー効率が高い新規デバイスや蓄電池の開発、またPHEV、EV向けの充電器、自動運転技術、水素ステーション関連などが重要な開発テーマとして挙がっています。
また、半導体・情報通信の分野では、次世代パワー半導体、グリーンデータセンター、エッジコンピューティングなどが開発テーマです。次世代パワー半導体は従来のSiだけではなく、GaNやSiCに関する技術開発、グリーンデータセンターでは光エレクトロニクス技術などによるデータセンターの省エネ化、エッジコンピューティングではセンサーなどのエッジ側のデータ処理技術を開発し、情報通信インフラを省エネ化することが期待されています。
さらに船舶の分野では、ゼロエミッション船（排出ゼロ）の実用化に向けた、水素燃料電池システムやバッテリーシステム、アンモニアエンジンなどに関わる技術開発、カーボンリサイクル・マテリアルの分野では、CO2吸収型コンクリート・セメント、カーボンフリーな合成燃料、人工光合成によるプラスチック原料、水素還元製鉄、熱源の脱炭素技術による原材料製造など、低排出の原材料に関する技術の事業化が期待されています。
いずれにしても、最先端の技術を駆使してクリアしなければならない難易度の高い開発テーマですが、カーボンニュートラル社会実現にむけて各産業界の多くの企業が積極的に取り組んでいます。