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Solutionソリューション

家庭・オフィス産業

住宅・建築物・次世代電力マネジメント

家庭・業務部門のカーボンニュートラルに向けての重要な要素の一つに、建造物自体のエネルギー負荷抑制が挙げられています。建造物は、一度建築されると長期ストックとなる性質上、早急に取り組むべき分野であるといわれています。
先進的な建築設計によるエネルギー負荷抑制、パッシブ技術の採用、高効率な設備システムの導入などを図り、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネ化を実現した上で、再生エネルギーを導入することで、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロに近づけられる住宅・建築物の設計手法が検討されています。
また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって、テレワークが急速に普及しました。一方で、社員間のコミュニケーションの不足が業務遂行に影響があるという調査結果もある中、オフィスの役割が変わりつつあります。これまでは当たり前とされてきた座席が固定された状態から、各自が固定席を持たないアクティビティー・ベースド・ワーキング(ABW)へのシフトが注目されています。米国では、人間の健康に焦点を当てた国際的な環境評価システム「WELL認証」、日本でも建物利用者の健康維持・増進の支援などを評価する指針「CASBEE評価認証制度」が開発され、建物の仕様・性能・取組が、建物利用者の健康と快適性の維持・増進をサポートすることはきわめて重要であるという認識が徐々に広がりつつあります。

グローバルな環境性能評価システム例
  • LEED (USA/Canada/India)
  • BREEAM (UK/Gulf)
  • WELL (Global)
  • Green Star (Australia/New Zealand/South Africa)
  • Green Mark (Singapore)
  • Estidama (UAE)
  • GSAS (MENA)
  • LOTUS (Vietnam)
  • DGNB (Germany)

こちらは、シカゴを拠点とするCyclone Energy Group社が、Virtual EnvironmentのApachHVACツールを用いて、エコビルディングにおけるHVAC設計を実施した事例です。また同ソフトウェアのRadianceIESツールを使用した昼光シミュレーションの研究や、LEED対策アプリケーションとしても活用が進んでいます。

出典:Integrated Environmental Solutions Ltd. , Case Studies

IENコンサルタント社では、クアラルンプールにある高層オフィスタワーにおけるグリーンビルディング認証取得だけでなく、10〜16メートルもある深いフロアプレートに対して、太陽光を届けるための革新的なソリューションを実現しました。
入口・出口の開口部のサイズやダクトの長さ、分配の角度などは、日光トラフの形状設計に対して特に重要であるため、Virtual EnvironmentのRadianceIES、一連の採光設計を調査しました。またRadianceIESの鏡面反射プロパティを利用して、適切な表面仕上げ材料を選択し、居住者の視覚的な快適さの確保を目指しました。

出典:Integrated Environmental Solutions Ltd. , Case Studies

Net Zero Energy Building(ZEB)を達成するには、建物全体での消費エネルギー量を可能な限り減少させなければなりません。ギリシャのアテネという温暖な地域に建設された高層ビルの外壁における窓の割合や、熱貫流率、熱取得係数といったパラメータをmodeFRONTEIRを用いて最適化しました。その結果、熱的快適性を落とすことなく、建物全体の三分の一の消費エネルギー量削減に成功しました。

再生可能エネルギーの大量導入による電力供給構造の変化に伴って、電力需要と供給の間の空間的ギャップ(大需要地と発電適地の間の距離)と、時間的ギャップ(需要量と発電量とのズレ)が拡大し、系統混雑や電力品質問題が深刻化することが懸念されています。そのため、再エネ、燃料電池・コジェネ、太陽光発電、蓄電池等の分散型エネルギーリソース(DER:Distributed Energy Resources)の利活用推進、特に「マイクログリッド」構想では電気や熱などのエネルギーの地産地消を促進し、地域内の効率的なエネルギー利用を可能にするとともに、災害時の停電回避・影響緩和といったレジリエンスを強化、さらに地域活性化への貢献が期待されています。
エネルギー源や負荷など、システム内の構成要素を自由に変更したエネルギーマネジメントや、多様な環境を長期間想定したコストマネジメントをシミュレーション上で検討することができます。GT-SUITEには各システムモデルのテンプレートモデルが準備されていますので、それらを組み合わせることでマイクログリッドにおけるエネルギーマネジメントの机上検討が可能になります。

地域マイクログリッドのシステムモデル例
出典:地域社会における持続的な再エネ導入に関する情報連絡会(第4回) 資料6 「地域の系統線を活用したエネルギー面的利用システム(地域マイクログリッド)について」(PDF資料 3ページ)(経済産業省資源エネルギー庁)
マイクログリッドGT-SUITEモデル
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