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Solutionソリューション

エネルギー関連産業

次世代熱エネルギー

「2050年カーボンニュートラル」の実現にあたっては、ガスの脱炭素化への取り組みも必要です。そこで有望視されているのが、CO2と水素からメタンを合成する「メタネーション」技術。現在の都市ガスの原料である天然ガスを、この合成メタンに置き換えることで、ガスの脱炭素化を目指します。

また、「ガスコージェネレーション」導入による分散型エネルギーシステムを構築することで、熱をより有効利用できるインフラ環境の構築について検討が進んでいます。それらキーテクノロジーとなる技術開発においては、CAEが様々な目的で活用されています。

CO2からメタンを合成するメタネーションでは、触媒反応と熱管理が非常に重要な要素です。
Ansys Fluentを用いた詳細なシミュレーションで、触媒性能や冷却性能を評価、さらにシステム全体の1次元(1D)シミュレーションをAnsys Twin Builderで実施することで熱管理を評価します。各ツール間でダイレクトリンクが可能ですので、詳細度に応じた高速なシミュレーションを実現します。

排ガスから回収されたCO2を原料にメタンを生成するメタネーションの反応器プロセスを、GT-SUITEを用いてモデル化することができます。自動車のエンジン後処理系で多用される固体触媒用のテンプレートを備えたGT-SUITEは、表面反応を速度論ベースで解析できるほか、触媒のチャネル形状などから圧損や熱伝達を予測することが可能です。

画像出典:「CO2を有効利用するメタン合成試験設備を完成、本格稼働に向けて試運転開始」
(新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO))
化学プラントの例(メタネーション)

ガスタービン複合発電(コンバインドサイクル)は、ガスタービン・蒸気タービン以外に、圧縮機や燃焼器、排熱回収ボイラー・復水器、ポンプ、発電機などの要素からシステムが構成されています。これらの要素に対応するGT-SUITEのテンプレートでモデルを作成しました。
GT-SUITEでは、DOE・最適化機能が利用できるため、本システムモデルで求めた効率を最大化するデザイン探索などが可能です。

発電プラント例(ガスタービン複合発電)

ガスタービン複合発電に、さらにSOFC(固体酸化物形燃料電池)を組み合わせた“トリプルコンバインドサイクル”についても、GT-SUITEであればモデル化することができます。SOFCの電気化学特性は、実測等のI-V特性にフィッティングして使用します。SOFCの熱モデルは、比較的高速に計算することができる1次元モデル以外にも、FEを使用したモデルを作成し、スタックの詳細な温度分布の検討にも適用できます。

画像出典:石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)の実証試験を開始「石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)実証事業の概要」の一部を抜粋(新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
発電プラント例(ガスタービン燃料電池複合発電)

貯蔵された水素は、言わば化学エネルギーとして蓄えられた状態です。これを人々の暮らしの中で活用するには、運動エネルギーや電気エネルギーへと形態を変換する必要があります。変換方法には、燃料電池などの電気エネルギーへ変換する方法と、燃焼させることで熱エネルギーから運動エネルギー、さらに電気エネルギーへと変換する方法が考えられます。

■業務用・家庭用燃料電池

燃料電池システムの設計開発を効率的に進めるには、構想設計や詳細設計の段階でCAE技術を駆使することが不可欠です。その理由は、構想設計段階では、燃料電池スタック本体の性能だけでなく、ガスの供給ライン、スタックの熱マネジメント、電気回路、制御なども含めた、システム全体の振る舞いを検討する必要があるからです。このようなメカ・エレキ・制御の各ドメインを跨いだシステムの評価を行う上では、GT-SUITEをはじめとする1D-CAEツールが強力な武器となります。

燃料電池のモデル化(GT-SUITE)

詳細設計段階においては、流路配置や運転条件の検討に3次元熱流体解析を活用します。また必要に応じて高分子電解質膜燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell:PEMFC)や固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:SOFC)で生じる電気化学反応も含めた詳細解析を行うことができます。

PEMFCの詳細シミュレーション(Ansys Fluent)
SOFCの詳細シミュレーション(Ansys Fluent)
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